問題
問98
プロジェクトのステークホルダの関与を評価する際に用いられるステークホルダ・エンゲージメント評価マトリックスに含まれないものはどれか。
- 認識していない (Unaware)
- 抵抗している (Resistant)
- 協力的 (Supportive)
- 責任がある (Accountable)
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「責任がある (Accountable)」です。ステークホルダ・エンゲージメント評価マトリックスは、プロジェクト関係者(ステークホルダ)がプロジェクトに対して現在どのような関与度(エンゲージメント・レベル)にあるかを評価し、プロジェクト成功のために望ましい関与度とを比較するためのツールです。このマトリックスでは、一般的に以下の5つのレベルで関与度を分類します。「認識していない (Unaware)」、「抵抗している (Resistant)」、「中立 (Neutral)」、「協力的 (Supportive)」、「主導している (Leading)」です。
例えば、新しいシステム導入プロジェクトで、ある部門の部長が「協力的(Supportive)」な状態にあるけれど、プロジェクトを成功させるには部門全体を引っ張る「主導的(Leading)」な役割を期待している、といった分析に使います。選択肢エの「責任がある (Accountable)」は、RACIチャート(責任分担マトリックス)で使われる役割の一つで、タスクの結果に対して最終的な説明責任を持つ人を指します。これはステークホルダの「関与の度合い」を評価するものではないため、エンゲージメント評価マトリックスには含まれません。
ア(認識していない (Unaw…):
プロジェクトやその影響を認識していない状態です。エンゲージメント評価マトリックスの分類の一つです。
イ(抵抗している (Resis…):
プロジェクトに反対し、成功を望んでいない状態です。エンゲージメント評価マトリックスの分類の一つです。
ウ(協力的 (Supporti…):
プロジェクトに賛成し、成功を支援している状態です。エンゲージメント評価マトリックスの分類の一つです。
解法のポイント
この問題を解くには、プロジェクトマネジメントで使われる2つの異なるツール、「ステークホルダ・エンゲージメント評価マトリックス」と「RACIチャート」の目的と構成要素を正確に区別できるかがポイントです。前者はステークホルダの「関与度・態度」を評価するものであり、後者はタスクに対する「役割・責任」を定義するものです。「責任がある (Accountable)」はRACIチャートの”A”であり、役割を示す言葉です。他の選択肢が人の態度や関心度合いを示しているのに対し、「責任がある」だけが役割・立場を示しているという違いに気づくことができれば、正解を導き出すことができます。
用語補足
ステークホルダ:
プロジェクトの利害関係者のことです。プロジェクトに影響を与えたり、プロジェクトから影響を受けたりする全ての人や組織を指します。顧客、スポンサー、チームメンバー、利用者などが含まれます。
エンゲージメント:
関与の度合いや、積極的な関わりのことです。プロジェクトに対して、どれくらい熱意を持って関わっているか、という度合いを示します。
RACIチャート:
プロジェクトの各タスクについて、「誰が実行するか(R)」「誰が責任を持つか(A)」「誰に相談するか(C)」「誰に報告するか(I)」を明確にするための表です。役割分担をはっきりさせるために使います。
Accountable (説明責任者):
RACIチャートにおける「A」の役割です。そのタスクの最終的な結果に責任を持ち、承認や判断を行う権限を持つ人です。通常、各タスクに1名だけ割り当てられます。


