問題
問86
企業が、ある製品やサービスが市場に投入されてから、成長、成熟、衰退に至るまでの売上や利益の変化を表す曲線に当てはめて、戦略を検討する際に用いられる概念はどれか。
- プロダクトライフサイクル
- バリューチェーン
- サプライチェーン
- ビジネスモデルキャンバス
正解
正解は「ア」です。
解説
「プロダクトライフサイクル(PLC)」とは、製品やサービスが市場に投入されてから、その売上や利益が時間とともにどのように変化していくかを、導入期、成長期、成熟期、衰退期という4つの段階に分けて考える概念です。それぞれの段階で、製品の市場での位置づけや顧客の反応が異なり、企業が取るべきマーケティング戦略や投資判断も変わってきます。
例えば、導入期には広告宣伝に力を入れて認知度を高め、成長期には市場シェアの拡大を目指し、成熟期にはコスト削減や差別化を追求し、衰退期には事業の縮小や撤退を検討するといった戦略が考えられます。この概念を用いることで、企業は製品の寿命を予測し、次なる新製品の開発計画を立てたり、既存製品の最適な戦略を策定したりすることが可能になります。
イ(バリューチェーン):
「バリューチェーン」は、企業の事業活動を、製品やサービスが生み出される一連の価値創造活動(開発、生産、マーケティング、販売、サービスなど)としてとらえ、どの部分で競争優位性を生み出しているかを分析するフレームワークです。売上や利益の変化を表すものではありません。
ウ(サプライチェーン):
「サプライチェーン」は、製品の原材料調達から生産、流通、販売を経て消費者に届くまでの、企業間のモノや情報のつながりの全体を指します。売上や利益の変化を表すものではありません。
エ(ビジネスモデルキャンバス):
「ビジネスモデルキャンバス」は、事業のビジネスモデルを9つの要素(顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、主要な資源、主要な活動、主要なパートナー、コスト構造)で可視化し、分析・設計するフレームワークです。製品のライフサイクルを追うものではありません。
解法のポイント
「プロダクトライフサイクル(PLC)」は、製品戦略を立てる上で非常に重要な概念です。各段階(導入期、成長期、成熟期、衰退期)の特性と、それに合わせた戦略の違いを理解することがポイントとなります。他の選択肢であるバリューチェーン、サプライチェーン、ビジネスモデルキャンバスも経営戦略で用いられる重要な概念ですが、それぞれ異なる視点から企業活動を分析するものであるため、混同しないように明確に区別して理解することが大切です。
用語補足
プロダクトライフサイクル(PLC):
製品やサービスが市場に投入されてから、時間の経過とともに売上や利益がどのように変化していくかを、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つの段階で捉える考え方です。例えば、新しいゲーム機が発売されて(導入期)、人気が出て売上が伸び(成長期)、多くの人が持っている状態になり(成熟期)、やがて新しいゲーム機が出て売上が減る(衰退期)といった流れです。
導入期:
プロダクトライフサイクルの最初の段階で、新製品や新サービスが市場に投入されたばかりの時期を指します 。競合が少なく、売上はまだ低く、認知度を高めるための広告宣伝費がかさむため、利益はマイナスになることが多いです 。例えば、初めて電気自動車が市場に出たばかりの時期がこれに当たります。
成長期:
プロダクトライフサイクルにおいて、製品の売上が急速に伸び、市場が拡大する段階です。顧客からの認知度が向上し、リピーターが増えることで利益も増加傾向にありますが、競合他社の参入も増えるため、シェア拡大のための投資も必要になります。例えば、スマートフォンの普及が急速に進んだ時期などがこれに該当します。
成熟期:
プロダクトライフサイクルにおいて、製品の売上の伸びが緩やかになり、ピークに達する段階です。市場の需要が一巡し、多くの競合製品が出揃っているため、価格競争が激化しやすくなります。企業はコスト削減や差別化、顧客の維持に力を入れます。例えば、一般的なテレビや冷蔵庫のような家電製品の市場がこの段階にあります。


