問題
問88
データドリブン経営に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 経営者の直感や経験に基づいて迅速な意思決定を行うことである。
- 収集・分析した客観的なデータに基づいて、意思決定や戦略立案を行うことである。
- ITシステムを導入し、業務プロセスを自動化することである。
- 市場調査を大規模に行い、その結果を報告書にまとめることである。
正解
正解は「イ」です。
解説
「データドリブン経営」とは、企業が事業活動で得られる様々なデータ(売上データ、顧客行動データ、Webサイトのアクセスログなど)を収集し、分析し、その分析結果に基づいて客観的な意思決定や戦略立案を行う経営手法のことです 。従来の経営では、経営者の経験や直感に頼ることが多かったですが、データドリブン経営では、データという客観的な根拠に基づいて判断を下すことで、より正確で効率的な経営を実現しようとします。
例えば、あるEコマース企業が、顧客の購買履歴や閲覧傾向をデータで分析し、「この顧客層はA商品と一緒にB商品を好む傾向がある」という知見を得たとします。このデータに基づいて、A商品購入者にB商品をおすすめするパーソナライズされたマーケティング戦略を展開する、といったことがデータドリブン経営の一例です。これにより、顧客満足度の向上、売上増加、コスト削減など、様々な面での企業価値向上を目指します。
ア(経営者の直感や経験に基づいて迅速な意思決定を行うことである。):
経営者の直感や経験は重要ですが、データドリブン経営は客観的なデータに基づいた意思決定を重視します 。
ウ(ITシステムを導入し、業務プロセスを自動化することである。):
ITシステムの導入や業務プロセスの自動化は、データ収集や分析の効率を高める手段の一つですが、それ自体がデータドリブン経営の定義ではありません。これはDX(デジタルトランスフォーメーション)の一部です。
エ(市場調査を大規模に行い、その結果を報告書にまとめることである。):
市場調査はデータ収集の一部ですが、データドリブン経営は収集したデータを「意思決定や戦略立案に活用する」ことに重きを置きます 。
解法のポイント
「データドリブン経営」の核心は、客観的なデータに基づいた意思決定と戦略立案にあることを理解することが重要です。経営者の経験や直感も重要ですが、データドリブン経営はそれに加えてデータという裏付けを活用することで、より確実性の高い経営を目指します。ITシステムの導入や市場調査は、データドリブン経営を実現するための手段や一部の活動であり、目的そのものではないことを明確に区別して理解しておきましょう。
用語補足
データドリブン経営:
企業が収集した客観的なデータ(売上、顧客行動、市場動向など)を深く分析し、その結果に基づいて経営上の意思決定や戦略立案を行う経営手法です 。例えば、アパレル企業が過去の販売データやWebサイトの閲覧履歴を分析して、次のシーズンの商品ラインナップやプロモーション計画を決定するなどがこれに当たります。
DX(デジタルトランスフォーメーション):
企業がデータやデジタル技術を活用し、製品、サービス、ビジネスモデル、組織、プロセス、企業文化・風土といったあらゆるものを変革していくことです。例えば、製造業がIoTセンサーを工場に導入して生産データをリアルタイムで分析し、生産プロセス全体を最適化することで、新しい価値を生み出すなどが該当します.
パーソナライゼーション:
顧客一人ひとりの興味やニーズ、行動履歴に合わせて、製品、サービス、情報などを最適化して提供するマーケティング手法です。例えば、ECサイトで過去の購入履歴や閲覧履歴に基づき、「あなたへのおすすめ」として商品を提示したり、メールマガジンの内容を個別に変更したりすることです。
BI(ビジネスインテリジェンス):
企業が持つ大量のデータを収集・分析し、その結果を経営戦略の策定や意思決定に役立てるための手法、技術、システムの総称です 。データドリブン経営を実現するための重要なツールの一つと言えます。例えば、過去の売上データをグラフや表で分かりやすく可視化し、経営層が迅速に市場の傾向を把握できるようにすることなどが挙げられます。


