問題
問14
ITILに基づいたサービスマネジメントプロセスにおいて、インシデントの根本原因を特定し、恒久的な対策を策定するプロセスはどれか。
- 問題管理
- インシデント管理
- 可用性管理
- 変更管理
正解
正解は「ア」です。
解説
正解は問題管理です。ITサービスマネジメントでは、「インシデント」と「問題」を明確に区別します。「インシデント」とは、サービスが中断したり品質が低下したりする個々の事象(例:「メールが送れない」)を指します。一方、「問題」とは、それらのインシデントを引き起こしている根本的な原因(例:「メールサーバのディスク容量不足」)を指します。インシデント管理の目的は、サービスをできるだけ早く復旧させること(応急処置)です。
それに対して、問題管理の目的は、インシデントの根本原因を特定・分析し、同じインシデントが二度と発生しないように恒久的な対策を立てること(根本治療)です。例えば、頻繁にPCがフリーズするというインシデントに対して、再起動で一時的に対応するのがインシデント管理、メモリ不足が原因だと突き止めてメモリを増設するのが問題管理、というイメージです。問題文の「根本原因を特定し、恒久的な対策を策定する」は、まさに問題管理プロセスの目的そのものです。
イ(インシデント管理):
サービスの迅速な復旧を目的とするプロセスです。根本原因の解決ではなく、まずはサービスを元に戻すことが最優先です。
ウ(可用性管理):
サービスが利用できる状態(稼働している状態)を維持するための管理プロセスです。
エ(変更管理):
ITサービスに対する変更を安全かつ効率的に実施するための管理プロセスです。
解法のポイント
ITIL関連の問題を解く上で、「インシデント管理」と「問題管理」の違いを理解することは極めて重要です。 ・インシデント管理 = 応急処置、迅速な復旧 ・問題管理 = 根本原因の特定、恒久的な対策、再発防止 この対比をしっかりと覚えておきましょう。「根本原因」というキーワードが出てきたら、問題管理を連想するのが定石です。他の管理プロセス(可用性管理、変更管理など)についても、それぞれの目的を簡潔に説明できるように整理しておくと、知識がより確実になります。
用語補足
ITIL (Information Technology Infrastructure Library):
ITサービスマネジメントにおける成功事例(ベストプラクティス)を体系的にまとめた書籍群です。IT運用・管理の教科書のようなもので、世界中で広く参照されています。
インシデント:
サービスの正常な運用を妨げる出来事のことです。例えば、Webサイトが表示されない、メールが受信できない、といった個々のトラブルがインシデントです。
問題:
一つまたは複数のインシデントの根本原因のことです。病気における病原菌のような存在で、これを特定し取り除かない限り、同じ症状(インシデント)が再発する可能性があります。
可用性管理 (Availability Management):
ITサービスが必要な時にいつでも利用できる状態を保証するための管理活動です。お店が定休日以外はちゃんと開店している状態を維持するようなものです。


