問題
問25
ITサービスにおける可用性管理の目的として、最も適切なものはどれか。
- 事業の要求に応じて、十分なITキャパシティを費用対効果良く提供すること。
- インシデントの発生回数と影響を最小限に抑え、通常のサービス運用を迅速に回復すること。
- 合意されたレベルのサービス可用性を、費用対効果良く確実に提供すること。
- リリースされた変更が、事業に悪影響を及ぼさないように管理し、保護すること。
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ」です。可用性管理の目的は、ITサービスが「使いたいときに、いつでも使える状態」にあることを保証することです。ここで言う「可用性(Availability)」とは、システムが停止することなく稼働し続ける能力を指し、一般的に稼働率(例:99.9%)などで表されます。可用性管理では、まず利用者とサービス提供者の間で「どのくらいのレベルでサービスを稼働させ続けるか(サービスレベルの合意)」を取り決めます。そして、その合意したレベルを達成・維持するために、システムの監視、障害対策、冗長化などの活動を、コストとのバランスを考えながら計画・実行します。
例えば、ネット通販サイトが24時間365日いつでも買い物できるように維持管理する活動が可用性管理にあたります。単に動かすだけでなく、約束したレベル(合意されたレベル)を、無駄なコストをかけずに(費用対効果良く)確実に提供することが目的です。
ア(事業の要求に応じて、十分なITキャパシティを費用対効果良く…):
これは「キャパシティ管理」の目的です。システムの処理能力や容量(キャパシティ)を管理します。
イ(インシデントの発生回数と影響を最小限に抑え、通常のサービス…):
これは「インシデント管理」や「問題管理」の目的です。発生した障害への対応や再発防止を目指します。
エ(リリースされた変更が、事業に悪影響を及ぼさないように管理し、…):
これは「変更管理」や「リリース管理」の目的です。システムの変更に伴うリスクを管理します。
解法のポイント
この問題を解くには、ITサービスマネジメントにおける各管理プロセスの目的を正確に理解しておくことが不可欠です。「可用性管理」は「いつでも使えること」、「キャパシティ管理」は「十分な性能や容量があること」、「インシデント管理」は「起きた障害を早く直すこと」、「変更管理」は「安全に変更すること」といったように、各プロセスの中核となるキーワードと目的を結びつけて覚えることが重要です。選択肢には他の管理プロセスの目的が紛れ込んでいるため、それぞれの違いを明確に区別できるようにしておきましょう。
用語補足
ITサービスマネジメント:
ITサービスを安定的かつ効率的に提供し、継続的に改善していくための仕組みや活動全般を指します。
可用性:
システムやサービスが、利用したいときに正常に稼働している度合いのことです。一般的に「稼働率」という指標で表されます。
キャパシティ:
システムが持つ処理能力や、ディスクの記憶容量、ネットワークの通信速度などのことです。レストランの座席数や厨房の調理能力のようなものです。
インシデント管理:
システム障害などが発生した際に、サービスへの影響を最小限に抑え、できるだけ早く正常な状態に復旧させることを目的としたプロセスです。


