問題
問54
ITサービスマネジメントにおいて、利用者からのサービスに関する要求(例:ソフトウェアのインストール依頼、パスワードリセット)に対応するプロセスはどれか。
- インシデント管理
- 問題管理
- 要求実現
- 変更管理
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ」の要求実現です。ITサービスマネジメントでは、利用者からの問い合わせを内容によって区別します。「インシデント」は、「メールが送れない」「システムにログインできない」といった、本来動くべきものが動かない”障害”や”サービスの低下”を指します。一方で、「要求実現」が扱うのは、障害ではなく、利用者からの「お願い」や「依頼」です。問題文にある「ソフトウェアのインストール依頼」や「パスワードリセット」は、何かが壊れているわけではなく、利用者がサービスを利用するために新たにお願いする事柄です。
このように、事前に定義された手順に従って対応する、利用者からの標準的なサービス要求に応えるプロセスを「要求実現」または「サービス要求管理」と呼びます。会社のヘルプデスクに新しいマウスを申請したり、スマートフォンアプリの操作方法を問い合わせたりするのも、この要求実現の一例です。
ア(インシデント管理):
「サービスが停止した」などの予期せぬ中断に対応し、迅速な復旧を目指すプロセスです。
イ(問題管理):
インシデントの根本原因を特定し、再発防止策を講じるプロセスです。
エ(変更管理):
ITサービスに影響を与える全ての変更を、リスクを管理しながら効率的に実施するプロセスです。
解法のポイント
この問題を解く上で最も重要なのは、「インシデント」と「サービス要求(要求実現)」の違いを明確に理解することです。ポイントは「正常な状態からの逸脱(=故障・障害)かどうか」です。パスワードリセットやソフトウェアのインストールは、故障ではなく、あらかじめ用意されたサービスメニューの一つです。この区別ができれば、インシデント管理との違いが明確になり、正解である「要求実現」を選ぶことができます。ITIL関連の問題では、この2つの違いを問う問題が頻出するため、具体例と共に覚えておきましょう。
用語補足
要求実現 (Request Fulfillment):
利用者からのサービス要求を受け付け、対応するプロセスです。サービス要求管理とも呼ばれます。障害ではない、定型的な依頼を扱います。
インシデント管理:
サービスの予期せぬ中断や品質低下(インシデント)が発生した際に、サービスをできるだけ早く正常な状態に復旧させることを目的とするプロセスです。
問題管理:
インシデントの根本的な原因を調査・特定し、恒久的な解決策を見つけて再発を防止するプロセスです。インシデント管理が応急処置なら、問題管理は体質改善にあたります。
ITサービスマネジメント:
ITサービスを安定的かつ効率的に提供し、顧客満足度を向上させるための仕組みや活動全般を指します。ITILがそのベストプラクティスとして知られています。


