問題
問75
プロジェクトの完了時に行うべき活動として、最も適切なものはどれか。
- 残存するリスクを全て無視して、プロジェクトを強制的に終了させる。
- プロジェクトの成果や教訓を文書化し、組織の資産として蓄積する。
- プロジェクトメンバーを直ちに解散させ、最終報告書の作成は行わない。
- プロジェクトの成功を祝うために、予算の残りを全て使い切る。
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は選択肢イです。プロジェクトは、完了したら終わりではありません。そのプロジェクトで何がうまくいき、何が失敗したのか、どのような課題があったのかといった経験(教訓)をきちんと文書にまとめて記録し、組織全体の知識として蓄積することが非常に重要です。これを「教訓の文書化」や「ナレッジマネジメント」と呼びます。
例えば、あるプロジェクトで特定の技術の導入に苦労した場合、その経験を記録しておけば、次に同じ技術を使う別のプロジェクトがその情報を参考にして、同じ失敗を繰り返さずに済みます。このように、プロジェクトの経験を組織の資産として未来に活かすことで、組織全体のプロジェクト遂行能力を高めていくことができます。最終報告書の作成や成果物の整理、関係者への引き継ぎなども完了時に行うべき重要な活動です。
ア(残存するリスクを全て無視して…):
リスクを無視するのは不適切です。残ったリスクは運用部門などに適切に引き継ぐ必要があります。
ウ(プロジェクトメンバーを直ちに解散させ…):
最終報告書の作成や引き継ぎなど、完了に必要な作業を終えてから解散するのが適切な手順です。
エ(プロジェクトの成功を祝うために…):
予算は計画に基づいて適切に使用されるべきであり、残った予算を使い切ることは不適切な会計処理です。
解法のポイント
プロジェクトマネジメントにおける「プロジェクト終結プロセス」の目的を理解することがポイントです。プロジェクトの終結は、単に作業を終えるだけでなく、得られた経験や知識を次に繋げるための重要なフェーズです。「やりっぱなしにしない」という視点で考えると、選択肢イが最も建設的で適切な活動であることがわかります。他の選択肢は、プロジェクトマネジメントの原則から明らかに逸脱しているため、消去法でも正解を導きやすい問題です。
用語補足
教訓 (Lessons Learned):
プロジェクト活動を通じて得られた、成功や失敗の要因などの知識や経験のことです。これを文書化することで、将来のプロジェクトに活かされます。
組織の資産:
会社が持つ有形・無形の価値あるもののことです。建物やお金だけでなく、技術、ノウハウ、ブランド、そしてプロジェクトで得られた教訓なども含まれます。
プロジェクト終結プロセス:
プロジェクトの全作業を完了させ、公式に終了させるための一連の手続きです。成果物の引き渡し、契約の完了、記録の保管などが含まれます。
ステークホルダ:
プロジェクトの利害関係者のことです。顧客、スポンサー、プロジェクトメンバー、経営者など、プロジェクトに影響を与えたり、受けたりする人々を指します。


