基本情報技術者試験 令和7年度(科目A) [問2] 過去問解説

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問題

問2

浮動小数点形式で表現された数値の演算結果における丸め誤差の説明はどれか。

  • 演算結果がコンピュータの扱える最大値を超えることによって生じる誤差である。
  • 数表現のけた数に限度があるので,最下位けたより小さい部分について四捨五入や切上げ,切捨てを行うことによって生じる誤差である。
  • 乗除算において,指数部が小さい方の数値の仮数部の下位部分が失われることによって生じる誤差である。
  • 絶対値がほぼ等しい数値の加減算において,上位の有効数字が失われることによって生じる誤差である。

[出典:基本情報技術者試験 令和7年度(科目A) 問2]

正解

正解は「」です。

解説

 正解は「イ」です。丸め誤差とは、コンピュータが扱える小数点以下の桁数に限界があるために、本来の値をすべて正確に保持できず、最下位の桁を四捨五入や切上げ・切捨てすることによって生じる誤差のことを指します。たとえば、0.123456789 という数を小数点以下6桁までしか保存できない場合、0.123457 や 0.123456 に丸められます。このとき、元の数値との差が「丸め誤差」となります。

 このような誤差は浮動小数点演算では避けられない問題であり、積み重なることで最終的な計算結果に影響を与えることがあります。たとえば、通貨計算や物理シミュレーションなど高精度が求められる場面では、丸め誤差が大きな問題となります。そのため、プログラムでは丸め誤差を意識した実装が必要です。選択肢「イ」は、このように桁数制限のために丸め処理が行われてしまい、わずかなズレが発生するという現象を的確に説明しています。

ア(演算結果がコンピュータの扱える最大値を超える…):
 これは「オーバーフロー」と呼ばれる現象であり、丸め誤差とは異なります。数値が大きすぎて扱えなくなることで発生します。
ウ(乗除算において,指数部が小さい方の…):
 これは「桁落ち(けたおち)」や「情報落ち」に関連する誤差であり、丸め誤差の定義とは異なります。
エ(絶対値がほぼ等しい数値の加減算において…):
 これは「桁落ち」と呼ばれる現象です。絶対値が近い数を引くと、有効数字が大きく失われることがありますが、これは丸め誤差とは異なります。

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難易度

 この問題の難易度は「普通」です。浮動小数点数や丸め誤差に関する基礎知識が求められますが、基本情報技術者試験の過去問題や参考書を通して学習していれば、確実に正答できるレベルの問題です。実生活の「四捨五入」との関係からイメージしやすい点も、初心者にとっては助けになります。

用語補足

浮動小数点形式:
実数を「仮数 × 基数の指数」の形式で表現する方法です。たとえば、123,000 は 1.23 × 105 のように表せます。非常に大きい数や小さい数もコンパクトに扱える特徴があります。

丸め誤差:
コンピュータの小数点の桁数制限のために、端数を切り捨てたり切り上げたりすることで生じる誤差です。日常の「0.1234を小数第3位まで四捨五入して0.123にする」ような処理に似ています。

オーバーフロー:
コンピュータが扱える数値の上限を超えてしまった場合に発生する誤差です。たとえば、9999までしか扱えない電卓に10000を入力したような状態です。

解法のポイント

 この問題に対応するには、誤差の種類(丸め誤差、オーバーフロー、桁落ちなど)を正確に区別して理解することが重要です。数学の知識にとどまらず、コンピュータの仕組みとしての数値表現や演算結果の処理に関心を持ち、例題を用いて理解を深めましょう。特に浮動小数点の精度と誤差の関係は試験で頻出のため、繰り返し復習すると効果的です。



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