問題
問1
プロジェクトマネジメントで使用されるWBS (Work Breakdown Structure) の説明として、最も適切なものはどれか。
- プロジェクトの各作業の順序関係や依存関係をネットワーク図で表現したもの
- プロジェクトの作業を、より管理しやすい小さな要素に階層的に分解したもの
- プロジェクトの完了までに必要なコストを見積もり、予算を管理するための手法
- プロジェクトに潜むリスクを識別し、その影響度と発生確率を評価したもの
正解
正解は「イ」です。
解説
WBSは「Work Breakdown Structure」の略で、日本語では「作業分解構成図」と訳されます。これは、プロジェクト全体でやるべき作業を、具体的で管理しやすい小さな単位に分解し、階層構造で整理する手法です。選択肢イは、このWBSの定義を正しく説明しています。例えば、「家を建てる」という大きなプロジェクトがあったとします。これをWBSで分解すると、「設計」「基礎工事」「組み立て」「内装工事」といった大きな作業グループに分かれます。さらに「内装工事」を「壁紙を貼る」「床を張る」「キッチンを設置する」といった、より小さな作業(ワークパッケージ)に細分化していきます。このように作業を細かく分解することで、各作業の担当者や必要な期間、コストの見積もりがしやすくなり、プロジェクト全体の進捗管理が容易になるというメリットがあります。まさに、大きなパズルを小さなピースに分けてから組み立てるようなイメージです。
ア(プロジェクトの各作業の順序関係…):
これはPERT図(アローダイアグラム)の説明です。WBSが作業の洗い出しと分解を行うのに対し、PERT図は作業の順序関係を可視化します。
ウ(プロジェクトの完了までに必要…):
これはコストマネジメントの説明です。WBSはコスト見積りの基礎情報となりますが、WBS自体がコスト管理手法ではありません。
エ(プロジェクトに潜むリスクを識別…):
これはリスクマネジメントの説明です。プロジェクトに潜むリスクを管理する活動であり、WBSとは目的が異なります。
解法のポイント
この問題を解く鍵は、WBSの基本的な定義を理解しているかどうかにあります。WBSは「Work(作業)」「Breakdown(分解)」「Structure(構造)」という単語の組み合わせです。文字通り、作業を分解して構造化するものと覚えましょう。他の選択肢は、PERT図、コストマネジメント、リスクマネジメントといった、プロジェクトマネジメントにおける別の重要な概念を説明しています。それぞれの用語の役割を区別して覚えることが重要です。
用語補足
プロジェクトマネジメント:
プロジェクトを計画通りに成功させるための管理活動全般のことです。例えば、文化祭の出し物を成功させるために、予算やスケジュール、担当者を決めて管理する活動も一種のプロジェクトマネジメントです。
WBS (Work Breakdown Structure):
プロジェクトの作業を細かい要素に分解し、階層構造で整理した図です。カレーライス作りで例えるなら、「野菜を切る」「肉を炒める」「煮込む」といった工程に分解するようなものです。
ネットワーク図:
作業の順序や依存関係を矢印などで視覚的に表現した図です。料理のレシピで「玉ねぎを炒めてから肉を入れる」という手順を示す流れ図のようなイメージです。
リスクマネジメント:
プロジェクトに潜む不確実な要素(リスク)を事前に特定し、対策を立てておくことです。遠足の計画で「雨が降ったら水族館に行く」と代替案を考えておくのがリスクマネジメントにあたります。


