問題
問13
アジャイル開発のアプローチの一つであるカンバンの特徴として、最も適切なものはどれか。
- 1~4週間の固定長の期間(スプリント)を繰り返し、その中で開発を進める。
- 開発者2名が1組となってプログラミングを行い、品質の向上を図る。
- 最初に厳密な計画を立て、その計画通りに開発を進めることを重視する。
- 作業の各工程における仕掛り中のタスク数を制限し、作業の流れを可視化することでプロセスを改善する。
正解
正解は「エ」です。
解説
カンバンは、もともとトヨタ生産方式で使われていた管理手法をソフトウェア開発に応用したアジャイル開発アプローチです。その最大の特徴は、選択肢エで述べられている通り、「作業のフローを可視化」し、「仕掛り中のタスク数(WIP: Work In Progress)を制限」することです。具体的には、「ToDo(未着手)」「Doing(作業中)」「Done(完了)」といった工程をカンバンボードと呼ばれる板に書き出し、タスクを付箋などで表現して、進捗に合わせて移動させていきます。これにより、チーム全員が作業の全体像と進捗状況を一目で把握できます。そして、特に重要なのが「WIP制限」です。これは、「Doing(作業中)」のレーンに置ける付箋の数を制限するルールです。
例えば、WIPを3に設定した場合、同時に3つのタスクまでしか着手できません。これにより、一つのタスクに集中しやすくなり、作業の滞留を防ぎ、タスクが完了するまでの時間(リードタイム)を短縮する効果があります。多くのタスクを中途半端に抱え込むのではなく、一つずつ着実に終わらせていくことを目指す手法です。
ア(1~4週間の固定長の期間(ス…):
これはスクラムの特徴です。カンバンにはスプリントのような固定長の期間設定はありません。
イ(開発者2名が1組となってプロ…):
これはXP(エクストリームプログラミング)のプラクティスである「ペアプログラミング」の説明です。
ウ(最初に厳密な計画を立て、そ…):
これはウォーターフォール開発の考え方です。アジャイル開発は変化への柔軟な対応を重視します。
解法のポイント
アジャイル開発関連の問題では、スクラム、カンバン、XPといった代表的な手法のそれぞれの特徴を区別して理解しておくことが重要です。
- スクラム:「スプリント」という固定期間の繰り返し、3つの役割(プロダクトオーナ、スクラムマスタ、開発者)。
- カンバン:「カンバンボード」で作業を可視化、「WIP制限」でフローを最適化。
- XP:「ペアプログラミング」や「テスト駆動開発」といった具体的な実践(プラクティス)群。
これらのキーワードと手法を結びつけて覚えておくと、正解を導きやすくなります。
用語補足
カンバン:
作業の流れをボード上で可視化し、仕掛品(WIP)を制限することで、スムーズなフローを目指す開発手法です。回転寿司のレーンのように、物がスムーズに流れる状態を目指します。
仕掛り(WIP: Work In Progress):
着手はしたが、まだ完了していない作業中のタスクのことです。作りかけのプラモデルのような状態を指します。
スクラム:
「スプリント」という短い期間の反復を繰り返して開発を進めるアジャイル開発のフレームワークです。
ペアプログラミング:
2人の開発者が1台のPCで共同作業するXPのプラクティスです。1人がコードを書き(ドライバ)、もう1人がレビューや助言をする(ナビゲータ)役割を担います。


