問題
問58
ITサービスマネジメントにおける構成管理データベース(CMDB)の役割として、最も適切なものはどれか。
- ITサービスを構成する要素(CI)の情報と、それらの関係性を記録・管理する。
- 過去に発生したインシデントとその解決策をナレッジとして蓄積する。
- サービスレベル合意(SLA)の内容と、その達成状況を記録する。
- システムへの変更要求とその承認履歴を管理する。
正解
正解は「ア」です。
解説
正解は「ア」です。構成管理データベース(CMDB: Configuration Management Database)は、ITサービスを構成する全ての要素(CI: Configuration Item)に関する情報を一元的に管理するためのデータベースです。CIには、サーバやネットワーク機器といったハードウェア、OSやアプリケーションといったソフトウェア、さらには仕様書や契約書といった文書なども含まれます。CMDBの重要な役割は、これらのCIの情報を記録するだけでなく、CI同士がどのように関連し合っているかという「関係性」も管理することです。
例えば、「この業務システムは、Aというサーバ上で、Bというデータベースを使って動いている」といった情報を管理します。これにより、あるサーバに障害が発生した際に、どの業務システムに影響が出るかを迅速に把握することができます。このように、ITインフラの地図のような役割を果たすのがCMDBです。
イ(過去に発生したインシデントと…):
これはナレッジベース(知識データベース)の役割です。インシデント管理や問題管理で活用されます。
ウ(サービスレベル合意(SLA)の…):
SLAの管理は、サービスレベル管理(SLM)の活動の一環として行われます。
エ(システムへの変更要求とその承認…):
変更要求や履歴の管理は、変更管理プロセスで用いられるツールやシステムが担います。
解法のポイント
CMDBの問題を解くためのキーワードは「CI(構成アイテム)」と「関係性」です。CMDBは、ITサービスに関連するあらゆる「モノ」や「情報」(=CI)を管理し、それらの「つながり(関係性)」を記録するデータベースである、と覚えておきましょう。選択肢の中に「構成する要素(CI)」や「関係性」という言葉が含まれていれば、それがCMDBの役割である可能性が非常に高いです。他の選択肢は、それぞれ別の管理プロセス(インシデント管理、サービスレベル管理、変更管理)に関連するデータベースやツールの説明なので、区別できるようにしておきましょう。
用語補足
CMDB (Configuration Management Database):
構成管理データベースのこと。ITサービスを構成するあらゆる要素(CI)の情報を、その関係性も含めて一元管理するデータベースです。
CI (Configuration Item):
構成アイテムのこと。構成管理の対象となる、ITサービスを構成する最小単位の要素です。ハードウェア、ソフトウェア、文書などが含まれます。
ナレッジベース:
組織内の知識や情報(ナレッジ)を集約したデータベースです。例えば、よくある質問とその回答(FAQ)や、過去の障害対応の記録などが蓄積されます。
SLA (Service Level Agreement):
サービス提供者と利用者の間で交わされる、サービスの品質に関する合意です。稼働率や障害復旧時間などの目標値が定められます。


