問題
問6
アジャイル開発手法のスクラムにおけるスクラムマスタの役割として、最も適切なものはどれか。
- プロダクトの価値を最大化する責任をもち、プロダクトバックログの管理を行う。
- チームがスクラムの理論とプラクティスを実践できるよう支援し、チームの生産性を妨げる障害物を排除する。
- 開発チームのメンバに具体的な作業を割り当て、日々の進捗を管理する。
- スプリントで完成したインクリメントが要求を満たしているかどうかの受け入れテストを実施し、承認を行う。
正解
正解は「イ」です。
解説
スクラムマスタの最も重要な役割は、スクラムチームの支援者・促進者であることです。選択肢イは、その役割を的確に説明しています。スクラムマスタは、チームがスクラムというルールに則ってスムーズに開発を進められるようにサポートします。
具体的には、スクラムのイベント(デイリースクラムなど)が正しく行われるように進行役を務めたり、チームの外部からの妨害を防いだり、開発の妨げとなる問題(例えば、必要なPCが手に入らない、他部署との調整がうまくいかないなど)があれば、それを取り除くために動きます。チームの監督や管理者ではなく、チームが自律的に動けるように環境を整える「サーバント・リーダー(奉仕型のリーダー)」と言われます。サッカーチームの監督が戦術を指示するのとは異なり、グラウンドキーパーが選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるようにピッチの状態を整える役割に近いです。
ア(プロダクトの価値を最大化する…):
これはプロダクトオーナの役割です。プロダクトバックログの管理と優先順位付けに責任を持ちます。
ウ(開発チームのメンバに具体的な…):
スクラムでは、チームが自律的に作業を計画するため、特定の誰かが作業を割り当てることはしません。これは従来のプロジェクトマネージャの役割に近いです。
エ(スプリントで完成したインクリ…):
完成したインクリメントが要求を満たしているかの判断や承認は、主にプロダクトオーナが行います。
解法のポイント
スクラムの問題では、「プロダクトオーナ」「スクラムマスタ」「開発者」という3つの役割の違いを正確に理解することが不可欠です。プロダクトオーナは「何を作るか(What)」に責任を持ち、開発者は「どう作るか(How)」に責任を持ちます。そしてスクラムマスタは、そのプロセス全体が円滑に進むように支援する役割です。それぞれの役割と責任を明確に区別して覚えておけば、誰の役割について問われている問題でも正しく解答することができます。
用語補足
スクラムマスタ:
スクラムチームのコーチ兼サポータです。チームがスクラムのルールを守り、生産的に活動できるよう支援し、障害を取り除きます。交通整理をしてくれる警察官のような存在です。
プロダクトオーナ:
開発するプロダクト(製品)の価値を最大化することに責任を持つ人です。顧客の代弁者として、開発してほしい機能のリスト(プロダクトバックログ)を管理し、優先順位を決定します。
プロダクトバックログ:
プロダクトに必要な機能や修正項目を優先順位順に並べたリストです。レストランのシェフが作る「これから作る料理のリスト」のようなものです。
インクリメント:
スプリントの成果物として完成した、動くプロダクトの一部分のことです。ジグソーパズルで、いくつかのピースが組み合わさって一つの絵の部分が完成した状態を指します。


