問題
問8
スクラムチームの役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- スクラムマスタは、プロダクトバックログの項目と優先順位を決定する責任を持つ。
- プロダクトオーナは、開発チームの生産性を最大化するために、日々の作業計画を管理する。
- 開発者は、スプリントで完成させるインクリメントの品質に対して責任を持つ。
- ステークホルダは、デイリースクラムに参加し、開発者に直接作業指示を行う。
正解
正解は「ウ」です。
解説
スクラムにおける開発者(開発チーム)は、スプリント内で実際にプロダクトのインクリメント(価値のある成果物)を作成する専門家集団です。選択肢ウは、その開発者が持つ重要な責任について正しく述べています。開発者は、プロダクトオーナが提示した「何を作るか」という要求に対し、「どのように作るか」を自律的に決定し、その成果物の品質を確保する責任を負います。
具体的には、設計、プログラミング、テストといった一連の作業を行い、スプリント終了時に「完成」と呼べる状態のインクリメントを提供します。シェフがレストランでお客様に提供する料理の味や見た目の品質に責任を持つのと同じように、開発者は自分たちが作り出したソフトウェアの品質にプロとして責任を持ちます。誰かに指示されて作るのではなく、自らが主体となって品質を作り込むのがスクラム開発者の特徴です。
ア(スクラムマスタは、プロダクト…):
プロダクトバックログの管理と優先順位決定は、プロダクトオーナの責任です [3, 4]。スクラムマスタはプロセスの支援者です。
イ(プロダクトオーナは、開発チー…):
日々の作業計画は、開発チームが自律的に行います。プロダクトオーナは作業計画を管理しません。
エ(ステークホルダは、デイリース…):
デイリースクラムは開発者のための会議であり、ステークホルダが参加して指示を出すことは許されません。これはチームの自律性を妨げます。
解法のポイント
この問題も、スクラムの3つの役割(プロダクトオーナ、スクラムマスタ、開発者)の責任分担を正確に理解しているかが問われます。各選択肢が誰の役割を説明しているのかを一つずつ確認することが重要です。「プロダクトバックログの管理→プロダクトオーナ」「プロセスの支援・障害物排除→スクラムマスタ」「インクリメントの作成と品質責任→開発者」という対応関係を覚えておきましょう。また、ステークホルダはチームの外部の利害関係者であり、直接チームの活動に介入しない点もポイントです。
用語補足
スクラムチーム:
プロダクトオーナ、スクラムマスタ、開発者の3つの役割から構成されるチーム全体のことです。誰が偉いという上下関係はなく、それぞれの役割が専門性を持って協力し合います。
開発者:
実際に手を動かして、動くソフトウェア(インクリメント)を作成する人々のことです。プログラマだけでなく、設計者、テスターなども含みます。
インクリメント:
スプリント内で完成した、価値のあるプロダクトの一部分です。スプリントを重ねるごとに、このインクリメントが少しずつ大きくなっていきます。
ステークホルダ:
プロジェクトの利害関係者のことです。顧客、ユーザ、経営者、スポンサーなどが含まれます。スクラムチームのメンバーではありません。


