問題
問80
プロジェクトの進捗管理にEVM(Earned Value Management)を適用している。ある時点での実績値が、PV(計画価値)が500万円、EV(出来高)が450万円、AC(実コスト)が600万円であった。この時点でのプロジェクトの状況に関する評価として、適切なものはどれか。
- 計画より前倒しで進んでおり、コストも予算内に収まっている。
- 計画より前倒しで進んでいるが、コストは予算を超過している。
- 計画より遅れているが、コストは予算内に収まっている。
- 計画より遅れており、コストも予算を超過している。
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は選択肢エです。EVM(出来高管理)を用いてプロジェクトの状況を評価するには、スケジュールとコストの2つの側面から分析します。
- スケジュールの評価 (計画との比較)
スケジュールは、計画価値(PV)と出来高(EV)を比較して判断します。PVは「現時点で完了しているはずだった作業の価値」、EVは「現時点で実際に完了した作業の価値」です。- ・PV = 500万円
- EV = 450万円
EV (450万円) < PV (500万円) となっており、計画していたよりも実績が下回っています。これは、スケジュールが計画より遅れていることを意味します。
- コストの評価 (実績との比較)
コストは、出来高(EV)と実コスト(AC)を比較して判断します。EVは「完了した作業の本来の価値」、ACは「完了した作業に実際にかかった費用」です。- EV = 450万円
- AC = 600万円
- EV (450万円) < AC (600万円) となっており、450万円分の価値を生み出すのに600万円もかかってしまったことを示します。これは、コストが予算を超過している(非効率な状態)ことを意味します。
以上の2点から、このプロジェクトは「計画より遅れており、コストも予算を超過している」と評価できます。
ア(計画より前倒しで進んでおり…):
スケジュールは遅れており、コストも超過しているため不正解です。
イ(計画より前倒しで進んでいるが…):
スケジュールは遅れているため不正解です。
ウ(計画より遅れているが…):
コストは超過しているため不正解です。
解法のポイント
EVMの問題を解くポイントは、PV, EV, ACの3つの指標が何を意味しているかを正しく理解し、どの指標を比較すればスケジュールとコストの状況がわかるかを覚えることです。
- スケジュール評価:EVとPVを比較 (EV < PV なら遅延)
- コスト評価:EVとACを比較 (EV < AC ならコスト超過)
「EVを基準に考える」と覚えやすく、EVがPVより小さければ遅れ、EVがACより小さければお金を使いすぎ、と判断できます。
用語補足
EVM (Earned Value Management):
プロジェクトの進捗を「コスト」と「スケジュール」の観点から定量的に管理する手法です。計画、実績、出来高を金額で表して比較します。
PV (Planned Value – 計画価値):
ある時点までに完了させる予定だった作業の予算額です。「計画では、今日までに500万円分の作業が終わっているはず」という目標値です。
EV (Earned Value – 出来高):
ある時点までに実際に完了した作業の、もともとの予算額です。「実際には、今日までに450万円分の作業しか終わらなかった」という実績値です。
AC (Actual Cost – 実コスト):
ある時点までに完了した作業に、実際に投入したコストです。「450万円分の作業を終えるのに、実際は600万円かかってしまった」という実費です。


