問題
問83
ITサービスマネジメントにおけるリリース管理の目的として、最も適切なものはどれか。
- インシデントの根本原因を特定し、再発を防止する。
- ITサービスの構成要素とそれらの関係性を正確に把握する。
- サービスの可用性を測定し、目標値を達成するように管理する。
- 変更されたサービスを、テスト済みで安全な方法で本番環境に展開する。
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は選択肢エです。リリース管理(正式にはリリース及び展開管理)は、変更管理プロセスで承認された変更内容(新しいソフトウェアや修正プログラムなど)を、計画的に、そして安全に本番環境へ適用(リリース、展開)するための一連の活動です。スマートフォンのアプリがアップデートされる時を想像してみてください。
開発会社は、新しいバージョンのアプリをいきなり全ユーザーに公開するのではなく、十分にテストを行い、問題がないことを確認した上で、App StoreやGoogle Playに申請し、ユーザーがアップデートできるようにします。この一連の流れを管理するのがリリース管理です。目的は、リリース作業によるサービスへの悪影響(例えば、リリース作業中にサービスが停止したり、新しいバグが発生したりすること)を最小限に抑え、変更内容を確実かつスムーズに利用者に届けることです。
ア(インシデントの根本原因を特定し…):
これは「問題管理」の目的です。インシデントの再発防止を目指します。
イ(ITサービスの構成要素とそれらの…):
これは「構成管理」の目的です。IT資産の情報を正確に管理します。
ウ(サービスの可用性を測定し…):
これは「可用性管理」の目的です。サービスが利用できる状態を維持することを目指します。
解法のポイント
「リリース」という言葉が「公開する」「展開する」といった意味を持つことを理解していれば、選択肢エの内容と結びつけやすいです。ITサービスマネジメントには多くの管理プロセスがありますが、「変更管理」→「リリース管理」という一連の流れで覚えるのが効果的です。まず変更管理で変更の是非を判断し、承認されたものをリリース管理で安全に本番環境へ適用する、という関係性を把握しておきましょう。
用語補足
リリース管理:
変更内容を本番環境へ安全・確実に適用するための管理プロセスです。CDやゲームソフトの発売日に向けて、製造、配送、宣伝などを計画的に管理するのに似ています。
本番環境:
実際にユーザーが利用しているシステムの稼働環境のことです。これに対して、開発用の環境を「開発環境」、テスト用の環境を「テスト環境」と呼びます。
展開 (デプロイ):
開発したソフトウェアやシステムを、利用できる状態にするためにサーバなどに配置・設定することです。
問題管理:
発生したインシデントの根本原因を突き止め、恒久的な解決策を実施することで、将来のインシデント発生を防ぐプロセスです。


