問題
問32
顧客との良好な関係を構築し、維持することで、顧客満足度を高め、企業収益の最大化を目指す経営手法・概念はどれか。
- SCM(サプライチェーンマネジメント)
- CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
- ERP(エンタープライズリソースプランニング)
- BI(ビジネスインテリジェンス)
正解
正解は「イ」です。
解説
この問題の正解は「CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)」です。CRMとは顧客との関係を大切にし、長期的に信頼を築くことで企業の収益性を高める考え方や仕組みのことを指します。例えば、あるお店が常連客の好みを覚えていて、それに合わせた商品をおすすめすると「この店は自分のことを分かってくれている」と感じて顧客満足度が高まり、再来店や追加購入につながります。これがCRMの基本的な発想です。
現代では商品やサービスの差別化が難しくなっており、単に「安い」「速い」だけでは他社との差を作りにくい状況です。そのため「顧客にとって心地よい関係を保つこと」が重要視されます。CRMはそのための戦略的な取り組みで、顧客情報をデータベース化し、購買履歴や問い合わせ内容を分析して、一人ひとりに合った対応を行います。
日常の例に例えると、仲の良い友人関係と似ています。友人の誕生日を覚えていてプレゼントを贈ると、相手は喜び「この人とは良い関係だ」と感じます。それにより友情が続きやすくなります。企業にとっても顧客との「信頼関係」を築くことが、長期的な利益につながるのです。
CRMを実践することで、顧客ロイヤリティ(忠誠心)を高め、他社への乗り換えを防ぎ、リピート購入を増やすことができます。結果的に顧客満足度の向上と企業収益の最大化が両立するため、企業戦略において非常に重要な位置づけとなっています。
ア(SCM(サプライチェーンマネジメント)):
製造から販売までの供給連鎖全体を最適化する経営手法であり、顧客関係の構築そのものを目的とする概念ではありません。
ウ(ERP(エンタープライズリソースプランニング)):
企業の人事・会計・生産などの基幹業務を統合的に管理する仕組みであり、顧客関係の強化を直接目的とするものではありません。
エ(BI(ビジネスインテリジェンス)):
膨大なデータを収集・分析して経営判断に役立てる仕組みです。CRMの基盤となる場合もありますが、顧客関係を構築すること自体を目的とするわけではありません。
解法のポイント
この問題を解くポイントは「顧客との関係性」に注目することです。SCMやERPは企業内部や供給網の効率化に関する概念であり、BIはデータ分析に関する手法です。一方、顧客満足度を高め、良好な関係を維持することを目的とするのはCRMだけです。「顧客」「関係」「満足度」といったキーワードを見抜くことで、正答にたどり着けます。
用語補足
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント):
顧客との信頼関係を重視し、顧客満足度を高めることで売上や利益を最大化する経営手法です。例えば、ポイントカードや購買履歴を分析して最適な商品を提案する取り組みが該当します。
SCM(サプライチェーンマネジメント):
原材料の調達から製品の販売までを一連の流れとして管理し、コスト削減や効率化を図る仕組みです。例として、在庫を減らしつつ需要に応じた生産を行う工場管理があります。
ERP(エンタープライズリソースプランニング):
企業の基幹システムを統合し、業務を一元管理する仕組みです。人事、会計、販売などの情報を共有することで、効率的な経営を可能にします。
BI(ビジネスインテリジェンス):
データを収集・分析して経営判断に役立てる仕組みです。例えば、売上データを分析して「どの商品がどの地域で売れているか」を把握することなどが挙げられます。


