問題
問38
企業が既存の事業範囲を超え、異なる業界や技術分野との連携を通じて新たな価値を創出する取り組みを指す言葉として、最も適切なものはどれか。
- 水平統合
- 垂直統合
- オープンイノベーション
- リバースイノベーション
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「オープンイノベーション」です。オープンイノベーションとは、自社だけで研究開発を進めるのではなく、他社や大学、研究機関、さらには顧客やユーザーといった外部の知識や技術を積極的に取り入れて新しい価値を生み出す考え方です。従来は「クローズドイノベーション」と呼ばれる、自社内で全ての研究から製品化までを完結させる方式が一般的でした。しかし、技術の進歩が速く、社会のニーズも多様化している現代においては、1社だけで全てを担うのは難しくなっています。
例えば、スマートフォンの開発では、通信技術、カメラ、ディスプレイ、AIなど異なる分野の技術が組み合わされています。これらをすべて1社で開発するのは非現実的です。そのため、部品メーカーやIT企業、研究機関と連携しながら、新しい製品やサービスを生み出すことが一般的です。これがオープンイノベーションの具体例です。
また、日常生活の例に置き換えると、料理を考えると分かりやすいです。一人で全ての食材を育て、調理法も独自に考えるのは大変ですが、スーパーで食材を買ったり、レシピを参考にしたり、他の人のアイデアを取り入れることで、より美味しく多様な料理をつくることができます。企業においても同様に、外部の知識やリソースをうまく取り入れることで、革新的な製品やサービスをスピーディーに実現できるのです。したがって、この問題文で問われている「異なる業界や技術分野との連携を通じて新たな価値を創出する取り組み」に最も適切なのは、オープンイノベーションとなります。
ア(水平統合):
同じ業界の同じ階層に属する企業を買収・統合することを指します。例えば、2つの食品メーカーが合併するケースです。異業種との連携による新しい価値創出を意味しないため不正解です。
イ(垂直統合):
製品の生産から販売まで、異なる工程を一つの企業が統合することを指します。例えば、自動車メーカーが部品製造から販売までを自社で行う場合です。外部との連携ではなく自社内での統合なので不正解です。
エ(リバースイノベーション):
新興国向けに開発された安価でシンプルな製品や技術を先進国市場に逆輸入して活用することです。例えば、インドで開発された低価格医療機器を欧米で販売するケースです。本問の「業界連携」とは異なるため不正解です。
解法のポイント
この問題を解くポイントは、キーワード「異なる業界や技術分野との連携」「新たな価値の創出」に注目することです。水平統合や垂直統合は企業の統合形態に関する用語であり、リバースイノベーションは新興国から先進国への技術展開を指します。したがって、外部の知識や技術を活用する「オープンイノベーション」が最も適切だと判断できます。
用語補足
オープンイノベーション:
自社だけでなく外部の企業や大学、顧客などの知識を活用して新しい価値を生み出す手法です。例:Appleが外部アプリ開発者と協力してApp Storeを成長させたケース。
水平統合:
同じ業界・同じ事業段階にある企業を合併・買収することです。例:2つの通信会社が統合して規模を拡大する場合。
垂直統合:
生産から販売まで異なる事業プロセスを自社内に取り込むことです。例:アマゾンが物流倉庫や配送網を自社で整備すること。
リバースイノベーション:
新興国向けに開発された技術や製品を先進国市場に応用する取り組みです。例:インドで開発された安価な医療機器をアメリカで販売するケース。


