問題
問95
AIを活用したビジネスモデルの成功要因として、適切なものをすべて挙げたものはどれか。
- a. 大量かつ質の高いデータの確保
- b. AI専門人材の育成・確保
- c. 既存業務プロセスとの連携
- d. AIに対する倫理的・法的枠組みの考慮
- a, b
- a, b, c
- a, d
- a, b, c, d
正解
正解は「エ」です。
解説
AI(人工知能)をビジネスに成功裏に活用するためには、技術的な側面だけでなく、データ、人材、プロセス、そして倫理・法務といった多角的な視点からの取り組みが必要です。
- a. 大量かつ質の高いデータの確保:
AIはデータに基づいて学習し、パターンを認識します。そのため、AIが正確な予測や適切な判断を行うためには、量が多く、かつ偏りや誤りの少ない質の高いデータが不可欠です。データはAIの「栄養」のようなもので、質が低いと正確な結果が得られません。 - b. AI専門人材の育成・確保:
AIモデルの開発、運用、改善には、データサイエンティスト、AIエンジニアなどの専門的な知識とスキルを持つ人材が必要です。彼らがAI技術をビジネス課題に適用し、価値を創出する中心となります。優秀な人材がいなければ、AIを効果的に使いこなすことは困難です。 - c. 既存業務プロセスとの連携:
AIは単体で機能するだけでなく、既存の業務プロセスの中にスムーズに組み込まれて初めてその真価を発揮します。AIを導入する際は、どの業務にAIを適用し、どのように既存のワークフローと連携させるかを事前に計画し、スムーズな統合を図ることが重要です。そうすることで、業務効率が向上し、新たな価値が生まれます。 - d. AIに対する倫理的・法的枠組みの考慮:
AIの利用は、プライバシー侵害、公平性の欠如、差別、判断の透明性の問題など、様々な倫理的・法的な課題を伴います。例えば、採用活動にAIを用いる場合、性別や人種による差別につながらないか、個人情報の扱いは適切かなどを厳しく検討し、透明性のある運用を確保する必要があります。これらのリスクを適切に管理することは、企業の信頼性を保ち、持続的なAI活用には不可欠です。
以上の理由から、これら4つの要素すべてがAIを活用したビジネスモデルの成功要因として適切です。
ア(a, b):
aとbは確かに重要ですが、AIのビジネス活用には、既存業務への組み込み(c)や倫理的・法的側面(d)の考慮も不可欠です。これらがないと、せっかくのAIも効果を発揮できません。
イ(a, b, c):
a、b、cは重要ですが、AIの利用に伴う倫理的・法的リスクへの対応(d)も、企業の信頼性維持と持続的な成功には不可欠です。特に社会的な受容性を高める上で重要な要素です。
ウ(a, d):
aとdは重要ですが、AIシステムを開発・運用するための専門人材(b)と、既存業務への効果的な組み込み(c)も成功には欠かせません。技術を使いこなす人材と、それを生かすプロセスは車の両輪です。
解法のポイント
AI技術のビジネス活用は、単に技術を導入するだけでなく、データ、人材、プロセス、そして倫理・法務といった多角的な視点からの総合的な取り組みが求められます。特に、AIの性能はデータの質に大きく左右されること、そしてAIが社会に与える影響を考慮した倫理的・法的枠組みの重要性は、近年のIT分野において非常に注目されています。これらの要素が相互に連携し、バランスよく機能することで、AIは真にビジネス価値を創出するツールとなります。AIは万能ではなく、適切な環境と運用があって初めて力を発揮することを理解しましょう。
用語補足
AI(人工知能):
人間の知的な活動(学習、推論、判断、認識など)をコンピュータで模倣しようとする技術や分野の総称です。例えば、スマートフォンの音声アシスタントや、顔認証システム、自動運転技術、将棋AIなどがAIの応用例です。ビッグデータと機械学習の発展により、近年急速に進化しています。
データサイエンティスト:
統計学、情報科学、ビジネス知識を組み合わせて、大量のデータから有用な知見やパターンを抽出し、ビジネス課題の解決に貢献する専門家です。企業内の売上データから顧客の購買傾向を予測し、マーケティング戦略を立案するような役割を担い、データとビジネスを橋渡しする存在です。
倫理的・法的枠組み:
技術の利用が社会に与える影響を考慮し、公正性、透明性、プライバシー保護などを確保するための道徳的・法律的なルールやガイドラインです。例えば、AIが人種や性別で差別的な判断をしないようにするルールや、個人情報の利用に関する法令などがこれに当たります。特にAIのような影響力の大きい技術では、その重要性が高まっています。
既存業務プロセスとの連携:
新しい技術やシステムを導入する際に、すでに確立されている日々の業務の流れと、新システムがスムーズに組み合わさり、全体として効率的に機能するようにすることです。例えば、AIによる需要予測システムを、既存の在庫管理システムや発注システムと連動させることで、サプライチェーン全体の最適化を図ります。これにより、投資対効果を最大化できます。


