問題
問97
ブロックチェーン技術のビジネス活用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 中央の管理者によってすべての取引が承認・管理されるため、信頼性が高い。
- 高速なデータ処理が可能であり、リアルタイム性が要求されるシステムに適している。
- 改ざんが困難な取引記録を分散して共有することで、透明性やセキュリティを向上させる。
- 物理的な製品をデジタルデータとして複製し、複数拠点での同時利用を可能にする。
正解
正解は「ウ」です。
解説
「ブロックチェーン技術」は、分散型台帳技術の一つであり、ビジネスにおける様々な場面で注目されています。その最も大きな特徴は、取引記録を「ブロック」と呼ばれる単位でまとめ、それらを鎖(チェーン)のように連結していくことで、改ざんが極めて困難なデータベースを構築する点にあります。この記録は、ネットワーク上の複数の参加者(ノード)によって共有・管理され、特定の中心的な管理者が存在しない「分散型」の仕組みになっています。これにより、データの一貫性と信頼性が非常に高まり、透明性やセキュリティの向上が期待できます。
例えば、仮想通貨(暗号資産)のビットコインがこの技術を基盤としており、世界中の不特定多数のユーザーによって取引記録が検証・承認されることで、中央銀行のような仲介者が不要な安全な取引を実現しています。この特性は、金融取引だけでなく、サプライチェーン管理、不動産登記、医療記録など、情報の信頼性が極めて重要な分野での活用が期待されています。
ア(中央の管理者によってすべての取引が承認・管理されるため、信頼性が高い。):
ブロックチェーン技術は、中央管理者を必要とせず、参加者間の合意形成(コンセンサスアルゴリズム)によって取引を承認・管理する「分散型」が最大の特徴です。この記述はブロックチェーンの本質とは異なります。
イ(高速なデータ処理が可能であり、リアルタイム性が要求されるシステムに適している。):
現在のブロックチェーン技術は、多数の参加者による合意形成が必要なため、一般的なデータベースシステムに比べてデータ処理速度は低く、リアルタイム性が求められるシステムには必ずしも適しているとは言えません。これは今後の技術課題の一つです。
エ(物理的な製品をデジタルデータとして複製し、複数拠点での同時利用を可能にする。):
物理的な製品をデジタルデータとして複製し、複数拠点での同時利用を可能にすることは、ブロックチェーン技術の直接的な目的ではありません。ブロックチェーンは、主にデジタルデータの信頼性のある記録と共有に特化した技術です。
解法のポイント
ブロックチェーン技術の核心は「分散型」であることと、「改ざんが困難なデータ記録」という特徴を理解することです。これにより、中央管理者が不要で、高い透明性とセキュリティが実現されます。高速性や集中管理といった従来のシステムの特徴とは対照的である点を明確に区別することが、この問題の解法のポイントです。仮想通貨の基盤技術として知られるこの技術が、金融だけでなく、物流、医療、知的財産管理などビジネスの様々な分野でどのように価値を生み出すかを把握しておきましょう。
用語補足
ブロックチェーン:
分散型台帳技術の一つで、取引記録を「ブロック」と呼ばれる単位でまとめ、それらを鎖(チェーン)のように連結していくことで、改ざんが非常に困難なデータベースを構築する技術です。ネットワーク上の複数の参加者によって共有・管理され、特定の管理者を必要としません。仮想通貨(ビットコインなど)の基盤技術として有名です。
分散型:
システム全体を管理する中心的なサーバーや権限者が存在せず、ネットワーク上の複数のコンピューター(ノード)が対等な立場でデータを共有・管理する形態のことです。これにより、特定の一箇所が攻撃されてもシステム全体が停止しにくく、データの信頼性が高まります。現代のインターネット環境に適した特性と言えます。
改ざんが困難な取引記録:
ブロックチェーンでは、一度記録された取引データは、過去のブロックの情報と暗号技術によって強く結びつけられています。そのため、過去のデータを改ざんしようとすると、その後のすべてのブロックも変更する必要があり、事実上不可能なほど困難になります。これにより、記録の信頼性が保証され、安心して情報を利用できます。
仮想通貨(暗号資産):
ブロックチェーン技術を基盤として、インターネット上でやり取りされるデジタル通貨です。中央銀行や特定の金融機関が発行するものではなく、暗号技術によってセキュリティが確保されています。ビットコインやイーサリアムなどが有名で、その取引はブロックチェーン上に記録されます。


