問題
問89
TCP/IPプロトコルにおいて、信頼性の高いコネクション指向型のデータ転送サービスを提供するプロトコルはどれか。
- UDP
- IP
- TCP
- ICMP
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ」のTCP(Transmission Control Protocol)です。TCPは、TCP/IPモデルのトランスポート層に位置するプロトコルで、信頼性の高いデータ転送を実現することを目的としています。その最大の特徴は「コネクション指向型」であることです。これは、データを送受信する前に、送信元と宛先の間で仮想的な通信路(コネクション)を確立し、通信が終わると切断するという手順を踏むことを意味します。この通信路を通じて、送信したデータが相手に正しく届いたかを「確認応答(ACK)」で確認したり、届かなかったデータを「再送」したり、届いたデータの順序がバラバラになっていればそれを正しく並べ替えたりする機能を提供します。
これにより、データの欠損や順序の誤りがない、信頼性の高い通信が保証されます。電話をかける際に、まず相手を呼び出して繋がったことを確認してから話し始めるのに似ています。Webサイトの閲覧(HTTP)やメールの送受信(SMTP)など、データの完全性が重要な通信で利用されます。
ア(UDP):
User Datagram Protocolの略。TCPと同じトランスポート層のプロトコルですが、信頼性よりも速度を重視するコネクションレス型です。
イ(IP):
Internet Protocolの略。ネットワーク層のプロトコルで、データの宛先への配送(ルーティング)を担当しますが、信頼性は保証しません。
エ(ICMP):
Internet Control Message Protocolの略。IP通信のエラー通知や診断を行うためのプロトコルで、データ転送そのものが目的ではありません。
解法のポイント
トランスポート層の二大プロトコルであるTCPとUDPの違いを理解することは、ネットワーク分野の必須知識です。
- TCP:信頼性重視、コネクション指向(電話)
- UDP:速度重視、コネクションレス(手紙、一方的な放送)
この対比をしっかりと覚えておくことが重要です。問題文の「信頼性の高い」「コネクション指向型」というキーワードから、TCPが正解であると判断できます。それぞれのプロトコルがどのようなアプリケーションで使われるか(TCPはWebやメール、UDPは動画配信やオンラインゲームなど)も併せて覚えておくと理解が深まります。
用語補足
TCP:
確実にデータを届けるための通信プロトコルです。電話のように、相手と繋がっていることを確認しながら会話を進め、聞き取れなかったら「もう一度言って」と聞き返せる仕組みを持っています。
コネクション指向型:
通信を始める前に、送信側と受信側で「これから通信します」というお互いの合意(コネクションの確立)を取る通信方式です。
UDP:
データを効率よく送ることを優先する通信プロトコルです。手紙をポストに投函するように、相手に届いたかどうかの確認はせず、一方的にデータを送りっぱなしにします。
IP:
インターネット上でデータを目的地まで運ぶための「配送伝票」のような役割を持つプロトコルです。ただし、荷物が確実に届く保証まではしません。


