問題
問44
主記憶装置とCPUの速度差を埋めるために、主記憶装置の一部をキャッシュとして利用する際の性能指標となるのはどれか。
- スループット
- ヒット率
- レイテンシ
- バンド幅
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ」のヒット率です。キャッシュメモリは、CPUと主記憶装置(メインメモリ)の間に置かれる小容量で高速なメモリで、両者の処理速度の差を埋めるために使われます。CPUがデータを必要とするとき、まずキャッシュメモリを探しに行きます。探しているデータがキャッシュメモリに存在した場合を「キャッシュヒット」と呼び、CPUは高速にデータを読み出せます。一方、データが存在しなかった場合を「キャッシュミス」または「ミスヒット」と呼び、CPUは低速な主記憶までデータを取りに行かなければなりません。
ヒット率とは、CPUがデータを探しに行った回数のうち、キャッシュヒットした回数の割合を示す指標です。このヒット率が高いほど、CPUが低速な主記憶にアクセスする回数が減り、システム全体の処理性能が向上します。例えば、よく使う文房具を机の引き出し(キャッシュ)に入れておけば、わざわざ本棚(主記憶)まで取りに行かずに済み、作業が速くなるのと同じです。
ア(スループット):
システムが単位時間あたりに処理できる仕事量やデータ量のことです。ヒット率が向上すると、結果としてスループットも向上することがあります。
ウ(レイテンシ):
データ転送の要求を出してから、実際にデータが送られてくるまでの遅延時間のことです。
エ(バンド幅):
帯域幅とも呼ばれ、単位時間あたりに転送できる最大のデータ量を示します。ネットワーク回線の太さなどに例えられます。
解法のポイント
この問題は、キャッシュメモリの性能評価に関する基本的な知識を問うています。「キャッシュ」というキーワードを見たら、「ヒット率」が重要な性能指標であると連想できるようにしておくことが重要です。キャッシュメモリの仕組み(CPUと主記憶の速度差を埋める)と、ヒット率の意味(目的のデータがキャッシュに存在する確率)をセットで理解しておきましょう。スループットやレイテンシなども重要な性能指標ですが、キャッシュメモリに直接関連する指標としてはヒット率が最も適切です。
用語補足
ヒット率:
目的のデータがキャッシュメモリに見つかる確率のことです。探し物が見つかる確率が高いほど、探す時間は短くなります。
キャッシュメモリ:
CPUがよく使うデータを一時的に保存しておくための高速なメモリです。料理人がよく使う塩やコショウを手元に置いておくのと同じで、作業効率を上げるためのものです。
CPU:
中央処理装置(Central Processing Unit)の略で、コンピュータの頭脳にあたる部分です。計算や制御の中心的な役割を担います。
スループット:
単位時間あたりの処理能力です。工場のベルトコンベアが1時間にどれだけの製品を生産できるか、といった能力を表します。


