問題
問11
次の表は、あるプロジェクトのEVM実績データを示している。この時点でのプロジェクトの状況として、最も適切なものはどれか。
| 指標 | 金額(万円) |
|---|---|
| PV (計画価値) | 500 |
| EV (出来高) | 450 |
| AC (実コスト) | 400 |
- スケジュールは計画より進んでいるが、コストは予算を超過している。
- スケジュールは計画より遅れているが、コストは予算内に収まっている。
- スケジュールは計画通りだが、コストは予算を超過している。
- スケジュールは計画より遅れており、コストも予算を超過している。
正解
正解は「イ」です。
解説
この問題は、EVM(Earned Value Management)の基本的な3つの指標、PV・EV・ACを理解し、プロジェクトの状況を正しく分析できるかを問うています。まず、スケジュール状況を分析します。これはPV(計画価値)とEV(出来高)を比較することでわかります。PVは「現時点で完了しているはずだった作業の予算額」、EVは「現時点で実際に完了した作業の予算額」です。今回はPVが500万円に対し、EVは450万円です。つまり、計画では500万円分の作業が終わっているはずが、実際は450万円分しか終わっていないことを意味します。したがって、スケジュールは計画より遅れています。
次に、コスト状況を分析します。これはEV(出来高)とAC(実コスト)を比較することでわかります。EVは「完了した作業の価値」、ACは「完了した作業に実際にかかった費用」です。今回はEVが450万円に対し、ACは400万円です。つまり、450万円の価値がある作業を、400万円のコストで完了できたことを意味します。したがって、コストは予算内に収まっています(効率が良い)。以上の分析から、「スケジュールは計画より遅れているが、コストは予算内に収まっている」となり、選択肢イが正解です。
ア(スケジュールは計画より進んで…):
EV < PV なのでスケジュールは遅れています。不正解です。
ウ(スケジュールは計画通りだが、…):
EV < PV なのでスケジュールは遅れています。不正解です。
エ(スケジュールは計画より遅れて…):
EV > AC なのでコストは予算内に収まっています。不正解です。
解法のポイント
EVMの分析問題を解くためのポイントは、比較する指標の組み合わせを正確に覚えることです。
- スケジュール状況:EVとPVを比較 (EV – PV > 0 なら進捗良好)
- コスト状況:EVとACを比較 (EV – AC > 0 ならコスト良好)
この2つの比較ルールさえ覚えておけば、計算問題でも状況分析問題でも落ち着いて対応できます。「スケジュールはPV、コストはACを、それぞれEVと比べる」と覚えてしまいましょう。EVが全ての比較の基準になるのがポイントです。
用語補足
EVM (Earned Value Management):
プロジェクトの進捗を、コストとスケジュールの両面から定量的に管理する手法です。計画と実績を金額ベースで比較するのが特徴です。
PV (Planned Value):
計画価値。ある時点までに完了させる予定だった作業に割り当てられた予算額です。「ここまでで5,000円分の仕事が終わっているはず」という計画値です。
EV (Earned Value):
出来高。ある時点までに実際に完了した作業に割り当てられていた予算額です。「実際には4,500円分の仕事が終わった」という実績値です。
AC (Actual Cost):
実コスト。ある時点までに完了した作業に実際にかかった総費用です。「その4,500円分の仕事に、実際には4,000円かかった」という実績コストです。


