問題
問56
IoTデバイスから収集された大量のデータを効率的に処理・分析するために、データ発生源に近い場所で一時的に処理を行う概念はどれか。
- ビッグデータ
- クラウドコンピューティング
- データウェアハウス
- フォグコンピューティング
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「エ」のフォグコンピューティングです。フォグコンピューティングは、IoTデバイスなどの「エッジ(末端)」と、中央集権的な「クラウド」との中間に、分散したコンピュータ資源の層(フォグ=霧)を配置し、そこでデータ処理を行うモデルです。すべてのデータを遠くのクラウドに送るのではなく、データ発生源により近い場所で処理することで、通信の遅延を減らし、リアルタイム性を向上させるのが目的です。
これはエッジコンピューティングと非常に近い概念ですが、エッジがデバイス自身やそのすぐそばのゲートウェイでの処理を指すのに対し、フォグはもう少し広域な、例えば工場内や地域内のローカルサーバ群での協調処理といったニュアンスで使われることがあります。「雲(クラウド)」よりも地面に近い場所に広がる「霧(フォグ)」に例えられています。問題文の「データ発生源に近い場所で一時的に処理を行う」という説明は、この概念の特徴を捉えています。
ア(ビッグデータ):
従来の技術では扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータ群のことです。処理対象のデータそのものを指し、処理モデルではありません。
イ(クラウドコンピューティング):
インターネット経由でITリソースを利用する形態です。データは中央のデータセンターに集約して処理するのが基本であり、フォグとは対照的なアプローチです。
ウ(データウェアハウス):
様々なシステムからデータを集め、分析しやすいように整理・保管しておくためのデータベースのことです。
解法のポイント
IoT時代のコンピューティングモデルとして、「クラウド」「フォグ」「エッジ」の3つの関係性を理解することが重要です。これらはデータ処理を行う「場所」で区別されます。
- クラウド(雲):遠くの中央サーバ
- フォグ(霧):クラウドとエッジの中間
- エッジ(端):データ発生源のすぐそば
このように、物理的な位置関係をイメージで捉えると、それぞれの概念を区別しやすくなります。「データ発生源に近い」というキーワードから、フォグまたはエッジを連想できるようにしましょう。
用語補足
フォグコンピューティング:
データ発生源とクラウドの中間でデータを処理する考え方です。各地域の支社(フォグ)が、現場(エッジ)からの報告をある程度まとめてから本社(クラウド)に上げる、という組織の構造に似ています。
IoT (Internet of Things):
モノのインターネット。様々なモノがインターネットに繋がり、情報をやり取りする仕組みです。
エッジコンピューティング:
IoTデバイスなど、ネットワークの末端(エッジ)でデータ処理を行うモデルです。フォグよりもさらに現場に近い場所での処理を指します。
クラウドコンピューティング:
インターネット上の巨大なコンピュータ資源を利用するモデルです。すべてのデータや処理を中央に集約するのが特徴です。


